東急電鉄の鉄道博物館的存在である「電車とバスの博物館(通称DENBUS)」のB棟 キッズワールドが21年8月より期間限定のシェアオフィス「DENBUS ワークスペース」となりました。
シェアオフィスとしての機能をちゃんと維持しながら価格も安く、何より大人でも楽しい気分になれるので、週2-3回のペースで通っています。
「DENBUS ワークスペース」の施設概要
この「DENBUS ワークスペース」は元々は「電車とバスの博物館」の別棟です。
新型コロナウイルスの影響で20年2月からずっと休業となっていたんですが、21年8月よりシェアオフィスとして運営再開しています。
ただ期間限定と明言されているので、新型コロナウイルスが落ち着いたら元の「電車とバスの博物館」に戻ると思いますし、僕もそれを期待しています。
このB棟は子供向けのシミュレーターやプラレールのレイアウトを作って楽しめるスペースがメインで、それ以外に元東急510形と元東亜国内航空 YS-11(カットボディ)が展示されています。
それらの全てがシェアオフィスとして活用されていて、それぞれコーナーごとに特徴を付けて運用されています。
公式サイトから施設概要を引用します。
【コンセプト】
大人がワクワクするアミューズメントシェアオフィス【名称】
TSO DENBUSワークスペース【開業】
2021年8月1日(日)【営業日・時間】
9:30-17:00(木曜定休日)※博物館の営業日に準ずる【座席数】
29席(休憩コーナー4席)※感染症対策のため、一部の席のご利用を制限しております。【利用料金】
200円/1時間 一日最大1,000円
※ご利用状況により変更の可能性あり ※高校生以上ご利用可能【設備】
https://denbus.jp/news.html
電源・Wi-Fi・Web会議可・飲食可・シミュレーター
※シミュレーター内は飲食NG
場所は東急 田園都市線 宮崎台駅から歩いて3-4分です。
「電車とバスの博物館」の本館は宮崎台駅直結ですが、B棟(シェアオフィス)は一度外に出て向かう必要があります。
利用方法
利用にはアプリ「Suup」のダウンロードとクレジットカードの登録が必要です。
予約は不要で、入り口の自動改札機のところにあるQRコードでチェックインし、利用終了時に同じくQRコードでチェックアウトします。
昼食や買い物などで一時外出する場合はそれらの動作は不要で、何もせずに出入りすればOKです。
(スタッフの方に確認済み)
スタッフの方は常駐されていますが、そこでの受付や現金での支払いはできません。
エリア構成
「DENBUS ワークスペース」には4つのエリアから構成されています
電源とWi-Fiはどのエリアでも完備されています。
Wi-Fiは東急グループのiTSCOMで上りも下りもクッソ速いです。
①アウトドアスタイル
全9席
電源:○
Wi-Fi:○
web会議:○
飲食:×
元は自分でプラレールのレイアウトを作って走らせることができるスペースでした。
そこを上手くアウトドアの雰囲気に作り変えています。
このエリアは人工芝が敷いてあり、以前と同様に靴を脱いで利用します。
オープンスペースですが、web会議も可能です。
またタープ、テーブルとアウトドアチェアは全てスノーピーク製です。
東急とスノーピークでコラボしているんでしょうね。
タープロープが邪魔ですが、雰囲気作りに一役買っているので人間が注意するほかありません。
全9席となっていますが、テーブルは5つなので、実質的には全5席だと思います。
このアウトドアスタイルエリアが最もお気に入りです。
②えきもくオフィス
全13席
電源:○
Wi-Fi:○
web会議:○
飲食:○
「DENBUS ワークスペース」の中で最もシェアオフィスらしいスペースで、唯一飲食が可能なエリアとなっています。
「えきもく」とは駅の木材のことで、木造駅舎の古材を再利用することを東急では「えきもくプロジェクト」と呼んでいます。
この「えきもくオフィス」のテーブルも駅の廃材が使わえているようです。
ここのエリアを利用している人が一番多いように感じます。
③510形
全6席
電源:○
Wi-Fi:○
web会議:×
飲食:×
最もDENBUSらしいエリアです。
510形は3つ扉の両運転台です。
扉間に2つずつと運転台横に1つずつワークスペースが作られています。
ここは唯一web会議がNGなエリアなので集中して作業したい人向けだと思います。
ロングシートなので靴を脱いであぐらをかいて作業することが可能です。
ただ車内が木造ということもあってか、貧乏ゆすりする人がいると車両中にそれが伝わってくるので注意が必要です。
④YS-11
全1席
電源:○
Wi-Fi:○
web会議:○
飲食:×
事前予約制
全1席なので、事実上の個室です。
僕は自分が仕切る会議やしゃべる機会が多い会議はこの席を使います。
椅子も大きくないし座り心地も良くないのですが、気にせずに声を出せることが最大のメリットです。
また操縦席の真後ろなので、カメラでここを写して自慢しています。
皆さんよいリアクションをしてくれるので、会議のよいアイスブレイクになっています。
ここは定員1名ということもあり、予約制になっています。
事前予約制といっても、ホワイトボードの“機長名”の欄に名前を書くだけです。笑
1人1時間で、連続しての予約はNGです。
ただ利用後に次の予約が入っていなければ、続けて使ってもよいとのことでした。
(スタッフに確認済み)
ブレイクコーナー
ワークスペースエリア以外にブレイクコーナーが4席あります。
お弁当を食べるときはここで食べています。
宮崎台駅付近は飲食店が少ないんですよね…。
ここにはシミュレーターが2台あります(稼働は1台だけ)
シミュレーターは誰でも遊ぶことができるのですが、今まで遊んでいる人を見たことがありません。笑
またアウトドアスタイルの奥にはプラレールのレイアウトがあります。
これはキッズワールド時代からあるもので、残念ながら今は可動していません。
「DENBUS ワークスペース」の良いところと悪いところ
もう十分わかっていただいていると思いますが、「DENBUS ワークスペース」は通常のシェアオフィスとは多くの点で異なります。
異なるからこそ良いところと良くないところがあるので、自分が感じた点を整理してみました。
良いところ
○ 空いている
まだ認知が進んでいないのか利用者は少ないです。
定員29名に対して、一番多かったときでも6-7名しかいませんでした。
今のところ周囲が気になるような混雑具合にはなっていません。
○ 安い
利用料金は1時間当たり200円で、1日最大1,000円です。
完全個室のシェアオフィス「ZXY」は15分当たり250-300円なので、一般的な価格の5分の1程度の価格設定です。
僕は自費で利用しているので、この価格はとてもありがたいです。
会社でも「ZXY」と契約しているんですが、費用的に長時間利用するわけにもいかないですしね。
また自宅だと子供が部屋に突入してきたり、僕自身サボっちゃったりするので…。
緊急事態宣言下で出社が制限される中でとても助かっています。
○ 利用者のマナーが良い
「DENBUS ワークスペース」には個室がなくオープンスペースばかりです。
オープンスペースでweb会議が可能となると、他の人の声が気になりそうですが、全然そんなことはありません。
周囲に配慮されてかイヤフォンマイクを使って小声で話されている方ばかりです。
AirPodsのようなワイヤレスイヤフォンだと声が大きくなりがちなので、皆さんの配慮が素晴らしいなと思った次第です。
○ 複数のエリアがある
通常のシェアオフィスは個室だったり、場所が固定だったりします。
狭い個室に長時間いると気分が滅入いってきます。
その点、「DENBUS ワークスペース」は気分によって場所を変えることも自由です。
それに乗り物やアウトドアグッズに囲まれて仕事をするのは気分が上がります。
○ 土日も営業している
一般的になシェアオフィスは土日は休業とするところが多いですが、「電車とバスの博物館」に準じた営業のため土日も営業しています。
休日に集中して仕事をしたいときに自宅以外に選択肢があるのはありがたいです。
その代わりに木曜日が休業なのが地味に痛いです。
良くないところ
× 営業時間が短い
上記のように「電車とバスの博物館」に準じた営業のため、営業時間が9:30-17:00となっています。
会議体は9時開始のものが多いため、朝イチの会議が入っている日は利用しにくくなっています。
また17-18時も会議が入ることが多いので、そのときは近くにテラス席のあるカフェに移動することになります。
× サブモニターがない
個室のシェアオフィスには24インチ程度のサブモニターが設置されていることが多いです。
会社でも自宅でもサブモニターを使っているので、いまさらノートPC一台で仕事をするのは苦行でしかありません。
なので、モバイルモニターを購入しました。
13.3インチで400gと超軽量。
カバー兼スタンド、給電用のUSB-A to Cケーブル、HDMI to miniHDMIケーブルと必要なものは全てセットになっていました。
楽天は軒並み2万円台ですが、Amazonは13,000円台で購入できます。
Macの場合はUSB-CをHDMIに変換するケーブルが別途必要になります。
僕はAnker製のものを使っています。
ぜひ利用してみてください
最後になりましたが、この「DENBUS ワークスペース」は東急社員のアイディアから生まれたものだとニュースで見ました。
この価格と利用者でスタッフを常駐させて光熱費も払っていたらとても黒字にはなっていないと思います。
しかし1年以上休業している施設をそのままにするのではなく、新型コロナウイルスになんとか抗ってやろうという東急と東急社員の気概を大いに感じます。
他のシェアオフィスと違って明らかに楽しく仕事ができると思いますので、お近くの方はぜひ一度利用してみてください!