釣りキチ三平の矢口高雄先生に学ぶ「釣り十戒」

「釣りキチ三平」の矢口高雄先生がお亡くなりになってしまいました。

先生がいなかったらこれまでの釣りブームはなかったように思いますし、釣りは楽しいことだけではないという気づきもたくさん得られた作品でした。

改めてご冥福をお祈りいたします。

「釣りバカたち」

矢口高雄先生の釣り漫画は「釣りキチ三平」だけではありません。
「釣りバカたち」という連載漫画があります。

「釣りキチ三平」の連載が1973年-1983年(週刊少年マガジン)
対して「釣りバカたち」は1972年-1983年(週刊漫画アクション)と三平くんよりも1年早く始まっています。

「釣りバカたち」は全5巻。
一般のサラリーマンが主人公ということもあり、三平くんよりも身近な感覚で楽しめます。

40年以上前の連載なので、時代背景こそ古さが否めませんが、ストーリーの骨子には全く古さを感じません。
それだけストーリーが本質をついている証拠だと思います。

その中でも最も僕の心に響いた釣り十戒を紹介します。

釣り十戒

十戒とは10個の戒律。
戒律とは宗教用語で、修行者や僧団が守らなければならない規律のこと。

つまり釣り十戒とは釣り人が守らなければならない規律ということです。

漫画では主人公の田中くんが粗相をしたヤクザの組長に対して自省を込めて釣り十戒を披露しました。

一つ、釣り人は釣り場ではすべて親友であれ

二つ、釣り人は魚をいたわり自然をいたわれ

三つ、釣り人は釣り場を秘密にすべからず

四つ、釣り人は仕掛けを秘密にすべからず

五つ、釣り人は釣果を気にするなかれ

六つ、釣り人は他人をうらやむなかれ

七つ、釣り人は竿を棒切れのごとく大胆に使い、金のタマゴのごとく大切にすべし

八つ、釣り人は装備に最新の注意を払い身体を大切にすべし

九つ、釣り人は水をあなどるなかれ

十、釣り人はマナーを重んじ、常に釣技の向上に専念すべ

この釣り十戒、今の時代に当てはめても全く色褪せません。

ただ、三つ目の釣り場を秘密にしない項目だけは、解釈次第かなと思います。

釣り場を公開する対象を第三者までととると、今のweb社会ではなかなか難しい戒律です。
しかし、対象を信頼できる仲間内と解釈するのであれば、僕は完全に同意できます。

魚や自然をいたわる
釣り道具を大胆かつ大切に扱う
身体を大切にし、水を侮らない

ブログを読んでいただいている人なら当たり前に思われる内容かもしれません。
しかし、これを常に守り続けるのは結構難しいことだと思います。

「今だけはいいかな」
「ちょっとだけなら大丈夫かな」

といった誘惑に負けそうになったことは誰にでもあるのではないでしょうか。
(僕も何回もあります)

こんな骨太の釣り十戒を45年も前に考えて、作品化していた矢口高雄先生は偉大だなと改めて思いました。

Kindleで読めます

この釣り十戒は「釣りバカたち」の1巻に収録されています。

5巻ともkindle unlimitedの対象となっているので、kindle unlimited会員(月額980円)の方は無料で読めます。
僕も無料で読みました。