自分もブログ記事にしていますが、「新型カングー」についての憶測が飛び交っています。
「新型エクスプレス」が「新型カングー」として日本に導入されるかも!と思いましたが、スペックやモデルチェンジサイクルを見ると実現性は低いと感じたのでその理由を記載します。
「ルノー 新型エクスプレス」 = 「ダチア ドッカー」
日本だとダチア(Dacia)もドッカー(Dokker)もなじみがないと思います。
ダチアはルノーグループのルーマニアの自動車メーカーで、南米、ロシアやインドではルノーブランドとして販売されています。
「ドッカー」はフルゴネットタイプの乗用車/バンで、乗用車は「ドッカー」、バンは「ドッカー エクスプレス」という車名です。
この「ドッカー」は「新型エクスプレス」にそっくり…というか、「ドッカー」のマイナーチェンジ版が「新型エクスプレス」と推測できます。
注目すべきは「ドッカー」が南米ではルノー「カングー」として販売されている点。
前回の記事で書いた“エクスプレスのワゴンは「欧州以外で販売」”というのは新興国のことを指しているといえそうです。
*画像はドイツのダチア(DACIA)のサイト(https://www.dacia.de/modelle/dokker.html)から引用しました
「新型エクスプレス」が日本に入ってこないと思った理由
理由① 新興国向けのクルマである
まず最初の理由はコレです。
新興国向けと先進国向けではクルマの仕様やスペックが大きく異なります。
その背景にはGDP、貨幣価値やクルマの使われ方等の多くの要素が関わりますが、クルマ作りへの影響は安全装備、環境対策と快適性に反映されます。
ニュースリリースを見ると、「新型エクスプレス」にはADAS(先進運転支援システム)が搭載されているとの記事もありますが、エンジンはガソリンが1.6LのNA、ディーゼルが1.5Lターボの2種類で、トランスミッションは5MT/6MTのみとなっています。
理由② 実質的なマイナーチェンジである
そしてこれが決定打となりました。
「新型 エクスプレス」が「ドッカー」の後継車だとしても、フルモデルチェンジであれば導入も可能性もあるかと思います。
しかし今回はマイナーチェンジであると推測されます。
全体的なシルエットやウィンドウ回りなどはほぼ一緒ですよね。
自動車においては圧倒的な先進国である日本市場に基本設計が10年前(2012年)の車両を新型車として導入するとは思えません。
例えば、「新型エクスプレス」のリヤウィンドウは乗用車もバンもパワーウィンドウではなくフリップ式です。
カングーも初代はフリップ式でしたが、2代目はパワーウィンドウ式。
競合となる「ベルランゴ/リフター」もパワーウィンドウ式ですので、今更フリップ式になるのは厳しいと思います。
それにマイナーチェンジのクルマに日本のためにEDCなどのトランスミッションを追加することも考えにくいです。
現行のカングー1.2LターボのEDCも日本専用の仕様だと聞きますが、マイナーチェンジでそこまでやらないでしょうね。
まとめ
× (ベースとなるダチア ドッカーの)基本設計が2012年
× MT仕様しかない(⇒AT化が必要だが新興国はトルコン優位。日本のためだけにEDC載せるのは非現実的かと)
× リアウィンドウがフリップ式
× ガソリンエンジンが2世代前(1.6L NA)
○ 全幅が1,775mmと日本で使いやすいサイズ
○ カングーといっても遜色のないデザイン
以上の理由から日本市場の「新型カングー」は「新型エクスプレス」ではなく、次期カングーとして導入されると個人的には確信しています。
「現行カングー」にディーゼル導入との噂
2ちゃんねる(5ちゃんねる)のカングースレッドで、「現行カングー」に1.5L ディーゼルが追加されるとの書き込みが散見されています。
複数の書き込みがあるのでほぼ確定かと思います。
最大の理由は「新型カングー」の導入までの繋ぎだと思いますが、次期カングーもディーゼルエンジンの導入が検討されており、そのテストマーケティングとしての役割も強そうです。
「現行カングー」が日本市場に導入されたのは2009年と12年も前ですが、ここにきて新しいパワートレインを搭載されるとは全く想像できませんでした。
自分も買っているのでなんともいえませんが、日本のカングーのマーケットは特異です。
「ベルランゴ/リフター」の完成度が高いので、「新型カングー」にはマーケットをさらに大きくして欲しいと思います。