新型カングー 新型エクスプレス

「新型カングー」の情報が日本の自動車情報サイトでも公開されてきました。

これらの記事でボディサイズなどが明らかになり、色々と議論を読んでいます。

個人的に気になる全幅と観音開き(ダブルバックドア)の2点について情報を追ってみました。

KANGOOとEXPRESS

日本に正規輸入されているルノー社のフルゴネットは「カングー」のみですが、本国フランスおよびヨーロッパ諸国では「エクスプレス」も販売されています。

(左から)KANGOO VAN EV、KANGOO、KANGOO VAN、EXPRESS VAN、EXPRESS

「カングー」と「エクスプレス」はパッと見は同じクルマに見えますが、実際はデザインだけでなく全長や全幅等のボディサイズも異なる別のクルマです。

この記事で参考にしたスペックや画像の主な情報ソースはルノーグループのメディアサイト(https://en.media.groupe.renault.com/)です。
いわゆるメディア用のプレスキットを配布するサイトで、日本の自動車情報サイトもここを情報ソースにしていると思われます。
乗用車仕様のカングーとエクスプレスはまだ公式なスペックが見つけられませんでした。

新型カングーは乗用車とバンで全幅が異なる?

KANGOO

「新型カングー」

乗用車仕様の「新型カングー」です。

こちらは公式なスペックは出ていないのですが、上にリンクを貼った「THE MOTOR BROTHERS」や「くるまのニュース」サイトによるとボディサイズは以下のようになっています。

全長 : 4,486mm [現行カングー比+286mm]
全幅 : 1,919mm [+89mm]
全高 : 1,838mm(ルーフバー無) [+28mm]
ホイールベース : 2,716mm [+16mm]

全長が30cm近く大きくなっているのも特徴ですが、全幅の1,900mm超えというのが衝撃です。

実際に運転への影響度でいけば、全幅 > 全長なので。

またバックドアが観音開きではなくて、跳ね上げ式というのも衝撃です。

ただ本国ではカングーは初代より観音開きと跳ね上げ式の2種類のラインナップがあります。
日本でも初代モデルの途中までは跳ね上げ式も輸入されていました。

日本では『観音開き=カングー』というアイデンティティになっていると思うので、ここは新型でも継続して欲しいところです。

*[追記]別のニュースサイト「webモーターマガジン」では観音開き仕様も用意されているとありました

また、写真ではハッチバックドアしかないが、カングーのもうひとつの特徴である観音開きのバックドアも設定されている。

https://web.motormagazine.co.jp/_ct/17441985

KANGOO VAN

「新型カングー バン」

貨物車仕様の「新型カングー バン」です。

こちらはメディアサイトに公式な情報がアップされています。

GROUPE RENAULT / SITE MEDIA

THE ALL-NEW RENAULT KANGOO VAN

「新型カングー バン」ボディサイズ

全長 : 4,486mm [現行カングー比+286mm]
全幅 : 1,860mm [+30mm]
全高 : 1,808mm [-2mm]
ホイールベース : 2,716mm [+16mm]

全長は乗用車仕様の「新型カングー」と同じなのですが、全幅が異なります
1,860mmだと現行比+30mmで、ベルランゴ(1,850mm)とほぼ同じとなります。

また「新型カングー バン」はバックドアが観音開き仕様です。

乗用車とバンとはいえ、同じ車種で異なる全幅という2種類のボディを用意することってあるんですかね…?
乗用車仕様の全幅1,919mmが何かの間違いであることに期待したいです。

EXPRESSとEXPRESS VAN

「新型エクスプレス」
「新型エクスプレス バン」

カングーよりも一回り(二回り)小さな「新型エクスプレス」「新型エクスプレス バン」です。

こちらはメディアサイトに「新型エクスプレス バン」の情報がアップされています。

全長 : 4,393mm [現行カングー比+113mm]
全幅 : 1,775mm [-55mm]
全高 : 1,811mm [+1mm]
ホイールベース : 2,812mm [+112mm]

上記は「新型エクスプレス バン」のスペックですが、「新型エクスプレス」も同じではないかと予測します。

新型はエクスプレスですら現行カングーよりも全長が大きいことに驚きました。

全幅はこのくらいがちょうど使いやすいようにも思います。
とはいえ1,700mm超なので、日本では余裕で3ナンバーサイズですが。

ホイールベースは新型カングーよりも10cm長いので、荷物を載せることを想定したバンファーストな造りをしていることが伺えます。
*もしかしたら上記はロングボディのスペックで、標準ボディ(ショート)はカングーと同じかもしれません。

また公式画像には後ろからの画像はありませんが、コンセプトデザインは観音開きになっているので、新型も観音開きと跳ね上げ式の両方の仕様があると思います。

このエクスプレスを「カングーです」って言っちゃってもいいと思うんですけどね~

新型カングースペックまとめ

「新型カングー」と「新型エクスプレス」について、僕が気になる点を中心に整理してみました。

車種タイプ全幅後席窓バックドア
カングー(KANGOO)乗用車1,919mm可動式跳ね上げ式/観音開き
カングー バン(KANGOO VAN)貨物車1,860mm固定式(?)観音開き
エクスプレス(EXPRESS)乗用車1,775mm固定式観音開き
エクスプレス バン(EXPRESS VAN)貨物車1,775mm固定式観音開き
現行カングー乗用車1,830mm可動式観音開き
現行ベルランゴ乗用車1,850mm可動式跳ね上げ式

リヤウィンドウの仕様は画像から推察したものです。

日本に入ってくる新型カングーの仕様は?日本での販売はいつ?

ここからは完全な想像になります。

素直に受け取ればヨーロッパ仕様の「新型カングー(乗用車仕様)」をそのまま輸入することになります。
しかし、それだと全幅1,900mm超かつカングーのアイデンティティである観音開きを失うという、日本市場で戦うにはかなり不利な仕様になってしまいます。

現行カングーの全幅1,830mmでも入れられない駐車場があるくらいなので、1,900mm超だと立体駐車場への入庫は絶望的。
そうなると一軒家の人や平置き駐車場限定となってしまい、日常使いには厳しいと言わざるを得ません。

残る可能性は①「新型カングー バン」を日本向けに乗用車仕様にして、全幅1,860mmかつ観音開きという仕様で輸入する。

もしくは②「新型エクスプレス(乗用車仕様)」を『日本ではこれがカングー』だと言い切って輸入する。

この2つかなと思います。

現実的には上の「新型カングー バン」の乗用車化かと思います。

ハンドルを含めて左右をひっくり返す必要があり、販売規模のそこまで大きくない極東の日本仕様にはそこまで手を入れないというのが輸入車(特にイタリア車やフランス車)の定説です。

しかしカングージャンボリーが本国でも話題になるなど、カングーに関しては日本市場への注目度は高いこともあり、「新型カングー」は乗用車とバンを組み合わせたジャパンスペシャルを作ってくれると期待を込めて予想します。

「新型カングー バン」は助手席側がBピラーレスな「イージーサイドアクセス」が売りですが、日本で同仕様にするには左右を逆にしないといけないので、運転席側がピラーレスになるかもしれません。
(もしくは左右ともピラーありか)

【「新型カングー」の日本仕様を予測(期待を込めて)
カングー バンがベース
全幅 : 1,860mm
┗ リヤウィンドウをはめ殺しから可動式(パワーウィンドウ化)
バックドアは観音開き
┗ Bピラーレスのイージーサイドアクセスはなし、もしくは運転席側がピラーレス

・パワートレインは最大出力仕様
┗ ガソリンだったら直4 1.3Lターボ(130ps / 24.5kg-m仕様)、ディーゼルだったら直4 1.5Lターボ(115ps / 27.5kg-m仕様)
┗ ミッションは7速EDCと6MT(←願望)

新型カングーの日本での販売開始は2021年は無理で、2022年にずれ込むといわれています。

それだけのリードタイムが必要な理由が、上記のようなジャパンスペシャル仕様じゃないかとポジティブに捉えています。

他にもカングーの記事をいくつか書いていますので、読んでもらえたらうれしいです。

[追記]
このブログを書いた後で新型カングーの記事を掘ったところ、東洋経済にモータージャーナリストの森口 将之さんの記事がヒットしました。

カングーが「賛否両論の大変身」を行った理由(東洋経済オンライン 2020年12月20日)

発売時期は、カングー/エクスプレスともに2021年春の予定だとアナウンスされている。エクスプレスのワゴンは「欧州以外で販売」と書かれていることから、ワゴンは欧州ではカングー、それ以外がエクスプレスとして販売するという棲み分けがなされるのかもしれない。

もしかしたら、「日本版の新型カングー=新型エクスプレス説」が現実になるかもしれませんね。