カングーにアイドリングストップキャンセラーを取り付けました。
これまでエンジンをかけるたびにキャンセルスイッチを押していましたが、それをしなくてよいのは想像以上に快適でした。
アイドリングストップのメリデメ
環境負荷低減のためにアイドリングストップ機能は開発されました。
もちろんアイドリング中にエンジンをストップすることで、その間はガソリンが消費されなくなります。
しかし、それ以外の部分での負荷が高まり、トータルでは環境への負荷が高まっている可能性があることがわかってきました。
トヨタ自動車が純粋なガソリン車にアイドリングストップの機能を装備しなくなったのも同様の視点での判断だと思われます。
メリット
○アイドリング中のガソリン消費量が削減できる
○(上記により)排気ガスの排出量が削減できる
最大にして唯一のメリットといえます。
デメリット
●バッテリーの性能向上が求められる(高額なバッテリーが必要になる)
●バッテリーの劣化が速まる(交換頻度が上がる)
●エンジン再始動の回数が増えるため、セルモーターの耐久性向上によるコスト高や故障リスクが高まる
●アイドリングストップ中はエアコンの効きが弱くなる
エアコンの効きは最悪人間が我慢すれば済みますが、上の3つはコストやリスクに直結します。
エコノミーという点では、ガソリン代が節約できても、その分かそれ以上を高額(1.5倍くらい)なアイドリングストップ対応バッテリーに持っていかれます。
またエコロジーという点でも、排ガスの排出量が減る代わりにバッテリーの消費量が増えます。
それらを総合的に見て天秤にかけると、“メリットよりもデメリットの方が大きい(もしくは大きな差がない)”というのがトレンドになっています。
オートパーツ工房「アイストキャンセラー」
そういったことから通常はアイドリングストップはオフにして使用していました。
バッテリー自体はアイドリングストップに対応したAGMバッテリーを使用していますが、アイドリングストップをオフにすることでバッテリーの劣化スピードを抑えることができると考えます。
ただカングーのアイドリングストップスイッチにはメモリー機能がないので、エンジンを掛けるたびにスイッチを押す必要があります。
これが面倒くさいというか、押し忘れた際にアイドリングストップするのに「イラっ」とするので、デフォルトでオフにできる「アイストキャンセラー」を購入しました。
機能
「アイストキャンセラー」の機能はシンプルです。
取り付けるとエンジン始動の5秒後に「アイドリングストップオフスイッチ」を1度だけ押した状態になります。
また、もう一度スイッチを押せばアイドリングストップが作動します。
機能自体は殺していないところもこの商品を購入した大きな動機の一つです。
ボンネットのオープンを感知するセンサーをショートさせる方法でもアイドリングストップをオフにすることができますが、それだとスイッチを押しても作動させることはできません。
標準で装備されている機能を失わないという思想に共感を覚えました。
取付方法
取付方法もシンプルです。
・赤線 — イグニッション電源
・紫線 — アイドリングストップオフスイッチの信号線(マイナス制御)
・黒線 — アース
「アイストキャンセラー」から延びる3本の線を上記の右の3つにエレクトロタップで接続するだけです。
国産車ではカプラーオン仕様にキット化されているものもあります。
カングーは設定がないので、マイナスコントロール仕様の汎用品を使います。
準備した製品
カングーに取り付けるにあたり僕が準備したのは以下の6つです。
・アイストキャンセラー(マイナスコントロール汎用品)
・エレクトロタップ(白)細線用 *Amazonだとキャンセラーとのセットです
・ミニ平型ヒューズ電源(15A)
・管ヒューズ(1A)
・異線径配線コネクター
・配線(0.5sq) 2m程度(ヒューズボックスからアイドリングストップスイッチまで届けばOK) *画像にはありません
スイッチの取り外し
アイドリングストップのスイッチ部分はネジ止めはされていません。
上下3か所ずつの爪で止まっているだけなので、内張りはがしを差し込めば外せます。
スイッチ裏のコネクタ配線への接続
「アイストキャンセラー」の紫線はアイストオフスイッチの信号線(助手席側一番下の緑色の線)に、黒線はアース線(運転席側の真ん中の黒色の線)にそれぞれエレクトロタップで接続します。
コネクタ配線はビニルテープで束ねられているので、一度ほどいた方が作業しやすいです。
赤色のエレクトロタップ(0.5sq~)を使うと接続不良を起こす可能性があるので、必ず細線用の白色のエレクトロタップを使ってください。
(と、オートパーツ工房の田中さんよりアドバイスもらいました)
電源(ACC電源)
あとはイグニッション電源(IG電源)を「アイストキャンセラー」の赤線に接続すればOKなのですが、カングーのアイドリングストップスイッチの近くにはIG電源の配線はありませんでした。
そのため電源はヒューズボックスから取ります。
カングーでイグニッション電源に該当するのはリヤワイパーのヒューズ(15A)くらいです。
このヒューズをヒューズ電源に差し替えて、ヒューズ電源に付属の管ヒューズを5Aから1Aに付け替えます。
ヒューズ電源のコードだけでは運転席まで届かないので、配線の延長が必要です。
配線はヒューズ電源と同じ0.5sqのものを使いました。
長さは2mくらいあれば大丈夫です。
あとは延長した配線と「アイストキャンセラー」の赤線を異線径配線コネクターで接続すればOKです。
しかし、イグニッションONにしてもキャンセラーが作動しません。
原因を特定すべく諸々試した際に、この延長した電源コードのギボシを抜き差ししたところキャンセラーが作動しました。
これらを事象を販売元であるオートパーツ工房さんに相談すると、「リヤワイパーのヒューズが常時電源であることが考えられる」とアドバイスをもらいました。
原因としては、「リアワイパーのヒューズ」は常時電源では無いかと考えられます。
常時電源の場合は、キャンセラーを取り付けたとき、車両のシステムが起動していない時に1度動作しており、キャンセラーは再起動まで待機しております。
常時電源では電源のオンオフがありませんので、以後動作しません。
リアワイパーのヒューズは常時電源でも、イグニッションがオンになってリアワイパーのヒューズ電源をリレーで制御しリアワイパーが動作させる可能性もございます。
テスターでヒューズの電圧を必ず測定してみてください。
リヤワイパーはアクセサリーONでは作動せず、イグニッションONで作動するため、このヒューズからイグニッション電源が取れるもんだと思い込んでいました。
テスターで確認すると指摘の通り、常時電源が流れていました。
イグニッション電源を取得することは諦めて、アクセサリー電源(ACC電源)で動作させることにしました。
注意事項はありますが、ACC電源でも動作自体には問題ないとのことです。
他に取得する場所が無い場合は、シガーソケットなどのACC電源が有ればそちらから取得することも出来ますが、説明書にある注意点を必ずご確認ください。
ヒューズ電源をアクセサリーソケットに挿してキーをイグニッションONにすると無事に動作を確認できました。
ACC電源から電源を取得する場合の注意事項は下記となります。
【基本はIG電源のみ対応ですが、ACC電源から電源を取得した場合の注意事項】
オートパーツ工房「アイストキャンセラー」説明書より
初めからブレーキを踏んでエンジンを掛ける場合は、ACC電源でも正常に動作しますが、エンジンを始動させずにACCをオンにして10秒以内にブレーキを踏んでエンジンを始動させると、モード変更と同じタイミングになりますので、自動的にモードが切り替わり「停止モード」になる場合がございます。
「停止モード」になった場合は、手動でモード変更を行っていただくと「動作モード」になり、次回からキャンセラー動作を再開します。
ACC電源に接続する場合はご承知おきください。
感想
作業に着手してから取り付け完了まで1週間ほど掛かりました。
その間にオートパーツ工房 代表の田中さんには何回も問い合わせし、その都度親身になったアドバイスをいただきました。
同様の商品は他社でも販売されていますが、アフターサービスも含めてオートパーツ工房さんで購入してよかったと思っています。
もちろん製品自体の満足度も高いです。
機能としてはアイドリングストップスイッチを押さずにすむだけですが、それは想像以上に快適でした。
冒頭にも書きましたがアイドリングストップの機能自体は生きているので、スイッチを押せばアイドリングストップさせることも可能です。
またモード変更によりデフォルトでのオン/オフ(動作モード/停止モード)を切り替えることもできます。
カングーに乗っていてアイドリングストップをオフにしている人/したい人にはものすごくオススメの製品です。
“カングーにアイドリングストップキャンセラーを取り付けた” への3件のフィードバック