クォーツ式の腕時計が3本電池切れになっていました。
自分で交換しようかと思ったのですが、その内の2本がスクリューバックのため、工具がなくて交換できず。
時計屋さんでお願いすると合計で2,000円くらいかかるので、工具(スクリューバックオープナー)を買って自分で電池交換しました。
3爪式のセット品を購入
スクリューバックの腕時計を開けるのは初めての経験です。
オープナー以外に保持器も入手する必要があるので、その両方の入ったセット品を購入しました。
腕時計工具13点セットの内容
┗スクリュー裏蓋3点式オープナー
┗オープナーの替えコマ
┗時計固定バイス
┗バンドコマ外し
┗裏蓋こじ開け工具
┗バネ棒外し
┗ピンセット
┗精密ドライバー×3
┗バンドピン抜き×3
精度の低い3爪式のオープナーは地獄
道具が揃ったので、以下の手順で電池交換を実施。
・金属製のベルトを外す
・保持器で本体を固定
・オープナーの爪(四角形)を取り付け
・爪の位置を調整①(横軸)
・爪の位置を調整②(縦軸)
・反時計回りで回す
裏蓋の切り欠きとオープナーの爪をギリギリまで詰めて、反時計回りすること3回。
裏蓋は微動だにせず、爪が作った傷だけが残りました。
ドライバ類を使うときの基本である押しと回しの「7:3」の分配を守ってもダメでした。
爪の精度の問題
まず根本的な原因は爪の精度の低さです。
角が出ていないのはもちろんですが、そこが平らではなくて湾曲しているので、切り欠きの面とピタッと面で接してないのが最大の原因かと思われます。
構造上の問題
構造上3爪式の場合は1箇所でも爪が浮くと正しく力が伝わりません。
またこの腕時計(ALBA Zic APFZ105)がチタン製で滑りが悪いというのも原因の一つです。
対応策
思い浮かんだ対策は2つ。
①爪の底をフラットに加工する
②別のオープナーを買う
安価で速いのは①です。
しかし構造上の問題は解決できないので、新たなオープナーを買うことにしました。
*これらのセット品は同じところで製造(OEM)していると思うので、どこで買っても同じ問題が発生すると想像します。
2爪式のオープナーを購入
最もメジャーな明工舎製(国産品)のオープナーは5,500円。
明工舎の模倣品であるTIANJIU製(中国製)が1,000円台で、評価も悪くありませんでした。
明工舎に申し訳ないと思いつつもコピー品を購入。
Amazonや楽天には同じパッケージでブランドだけ異なるものが散見されましたが、中身はどれも同じだと思われます。
構造上2爪式なら多少精度が粗くても何とかなると思ってましたが、セット品とは比較にならない高精度でした。
2爪式のオープナーでは滑ることもなく、サクッと開けることができました。
面で接しているので、爪だけで裏蓋を保持することも可能です。
確かに爪やツールの精度が高ければ、2爪式よりも3爪式のオープナーの方がより失敗なく使えるのだと思います。
逆に2爪式なら安価な製品でもなんとかなるとも思います。
(あくまで自己責任)
しかしこれだけは断言できます。
“安物の3爪式は地獄”です。
一応、セット品でも別のステンレス製の裏蓋は開けることができましたが、フィット感が2爪式とは雲泥の差でした。
オススメのスクリューバックオープナー
この経験からの学びは以下の通りです。
・セット品のオープナーの爪の精度は低い(加工必須)
・構造上、2爪式のオープナーの方が使い勝手が良い
・2爪式のパチモノ(TIANJIU製)は精度高い
セットではなく個別購入をオススメ
スクリューバックのオープナーを買うならセット品ではなく、2爪式のオープナーと保持器など必要な器具だけを単品で購入することをオススメします。
使い勝手はもちろん、コストパフォーマンスの面でもその方が結果的に満足度が高いと思います。
ただ以下の場合は単品購入でなくセット品で事足りるかもしれません。
・裏蓋の切り欠きの高さが十分にある場合
・素材がチタン製でない場合(チタンは滑りが悪いため)
・バンドのコマ抜きやこじ開け用など他のツールも必要な場合
腕時計は自分で電池交換をすると愛着が増します。
コスト面でも2-3回の電池交換をすれば、ほぼ元が取れます。
さらに自分で交換できると思うと、腕時計を買うことへの心理的抵抗感も下がるという効果もあります。笑
複数のクォーツ式腕時計をお持ちの方はぜひチャレンジしてみてください。
オススメのツール
パチモンのオープナーはAmazonが最安値なのですが、発送まで時間を要すものもあります。
楽天は1,480円で即日発送。
*価格は送料込み
僕は早く欲しかったので、楽天市場で買いました。
こちらは正規品の明工舎製です。
Amazonは5,500円、楽天は実質5,130円でした。
裏蓋外しの保持器(バイス)はAmazonの方が圧倒的に安いです。
楽天は本体価格は安いのですが、送料が高いものばかりでした。
この記事が皆さんの参考になったらうれしいです。
前の現場の所長がまさにこの三本爪買ってルミノックスを自前で電池交換しようとして時計屋に断れるレベルまで舐めて…
ルーターで溝作って開けてあげたけど裏蓋単品で買えなくて正規品かどうかも怪しいケース+裏蓋買って1万超というメシウマ状態でした。
ケースごと交換は痛いっすね…
セット品の精度だと、裏蓋の溝が深いタイプでないとツルッといくと思います。
僕も傷と引き換えにチタンの特性を体で覚えることができましたw
触ったのがGSでなくて本当に良かったですww